第13章 その他の領域 / B. 一般外科
1 / 3
Question
問題 1294 熱傷について正しい記述はどれか。
  1. 1第1 度熱傷では水疱ができる。不正解
  2. 2受傷面積が体表の20%以内なら軽傷である。不正解
  3. 3重傷熱傷では低蛋白血症になる。正解!
  4. 4熱傷の皮膚は感染しにくい。不正解
Explanation
解説
1. [誤り]I度熱傷(第1度熱傷)は表皮基底層、真皮乳頭層の炎症レベルであり、「受傷部皮膚の発赤のみ、浮腫・疼痛を伴う」が、水疱は形成されない。教科書の表13-1にも明記されている。水疱形成はII度熱傷(浅達性・深達性)の特徴であり、真皮網状層まで損傷が及ぶことで出現する。
2. [誤り]成人で受傷面積が体表の15%になると既にショックに陥る危険性がかなり大きい。教科書には「II度ないしIII度の熱傷による受傷面積が体表の15%になるとショックに陥る危険性がかなり大きい」と記載されている。20%は決して軽傷ではなく、全身管理が必要な重症熱傷に該当する。
3. [正解]重症熱傷では熱傷創面から大量の血漿成分(蛋白質・水分)が漏出するため低蛋白血症を来す。血管透過性の亢進によりアルブミンなどの血漿蛋白が失われ、循環血漿量も減少する。これがショックの主要な原因となり、教科書にも「十分な点滴と新鮮凍結血漿(FFP)、ヘスパンダー、低分子デキストランなどの輸液を要する」と記載されている。
4. [誤り]熱傷面は皮膚のバリア機能が破壊されているため細菌感染が極めて起こりやすい。教科書には「栄養管理と感染防止に努める。ことに破傷風対策も忘れてはならない」「感染を疑う場合にはゲーベンクリームに変更し温浴療法を併用する」と記載されており、熱傷感染は重大な合併症である。
Key Points
ポイント
  • 重症熱傷では血管透過性亢進により血漿蛋白が漏出し、低蛋白血症と循環血液量減少(ショック)をきたす。
  • I度熱傷は発赤のみで水疱を形成せず、水疱はII度熱傷の特徴である。
  • 重要用語: 熱傷深度, 低蛋白血症, 血漿漏出, I度・II度・III度, 熱傷感染 を正確に理解しておくこと。
熱傷深達度損傷レベル臨床症状治癒期間
I度表皮・真皮乳頭層発赤のみ、水疱なし数日
浅達性II度真皮網状層中層水疱形成、真皮発色1~2週間
深達性II度真皮網状層下層水疱形成、白色貧血状3~4週間
III度真皮全層・皮下羊皮紙様、無痛1~数カ月
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶