1. [誤り]嗅覚は嗅神経(第I脳神経)が支配しており、顔面神経(第VII脳神経)の麻痺では障害されない。
嗅覚障害がみられるのは前頭蓋底の病変(嗅窩部髄膜腫など)や嗅神経の直接損傷の場合である。
2. [誤り]対光反射は視神経(第II脳神経・求心路)と動眼神経(第III脳神経・遠心路)が関与しており、顔面神経麻痺では障害されない。
顔面神経は対光反射の経路に含まれないため、瞳孔反応は正常に保たれる。
3. [誤り]顔面の知覚(触覚・痛覚・温度覚)は三叉神経(第V脳神経)が支配しており、顔面神経麻痺では障害されない。
顔面神経は「運動」と「味覚」を担当し、顔面の「知覚」は三叉神経の担当である。
4. [正解]末梢性顔面神経麻痺では顔面神経の分枝である鼓索神経も障害されるため、舌の前2/3の味覚障害がみられる。
これはベル麻痺において病変が膝神経節に及ぶ場合に顕著であり、涙分泌障害・唾液分泌障害・聴覚過敏を伴うこともある。
なお舌の後1/3の味覚は舌咽神経(第IX脳神経)の支配である。
| 脳神経 | 支配機能 |
|:---|:---|
| 嗅神経(I) | 嗅覚 |
| 視神経(II)・動眼神経(III) | 対光反射 |
| 三叉神経(V) | 顔面の知覚 |
| 顔面神経(VII) | 顔面の運動+舌前2/3味覚 |
<p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 顔面周辺の脳神経と支配機能</p>