1. [誤り]ベル麻痺は末梢性顔面神経麻痺であり、前頭筋が障害されるため患側の額のしわ寄せが不能となり、しわがなくなる。
末梢性では上・下顔面ともに障害されるため、額のしわ消失は典型的な所見である。
2. [正解]ベル麻痺では「開眼困難」ではなく「閉眼困難」が正しい所見である。
顔面神経は眼輪筋を支配しており、麻痺すると閉眼ができなくなり兎眼を呈する。開眼は上眼瞼挙筋(動眼神経支配)の機能であり、顔面神経麻痺では障害されない。
開眼困難がみられるのは動眼神経麻痺による眼瞼下垂や、重症筋無力症における眼瞼下垂である。
3. [誤り]顔面神経麻痺により頬筋や口輪筋が障害され、患側の鼻唇溝が浅くなる。
鼻唇溝の浅化は末梢性顔面神経麻痺の典型的な視診所見である。
4. [誤り]口輪筋の麻痺により患側の口角が下垂し、水がこぼれたり口笛がふけなくなる。
口角の下垂は顔面神経麻痺の代表的所見であり、正しい記述である。
| 症状 | ベル麻痺(顔面神経) | 動眼神経麻痺 |
|:---|:---|:---|
| 眼の障害 | 閉眼困難(兎眼) | 開眼困難(眼瞼下垂) |
| 支配筋 | 眼輪筋 | 上眼瞼挙筋 |
| 額のしわ | 消失 | 正常 |
<p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 閉眼困難と開眼困難の鑑別</p>