1. [誤り]アリス徴候(アプリヘンションサイン)は膝蓋骨の不安定性を評価する所見で、膝蓋骨脱臼の既往がある患者で膝蓋骨を外側に押すと不安感を訴える。
肩の外傷や腱板損傷とは関係がない。
2. [誤り]ガワーズ徴候(登攀性起立)はデュシェンヌ型筋ジストロフィーに特徴的な所見で、床から立ち上がる際に手で膝を押して起き上がる動作をいう。
本症例の肩関節の病態とは無関係である。
3. [誤り]ティネル徴候は末梢神経障害(手根管症候群など)において、神経走行部を叩打すると支配領域に放散痛やしびれが生じる所見である。
腱板損傷では認められない。
4. [正解]58歳男性が転倒による右肩打撲後に夜間痛を認め、他動的(左手で支えて)には挙上可能だが自動的には90度以上の挙上が困難である。
この所見は腱板損傷(特に棘上筋腱損傷)を強く示唆し、インピンジメント徴候が陽性となる。
肩関節を挙上する際に損傷した腱板が肩峰と上腕骨頭の間で挟み込まれ(インピンジメント)、疼痛が誘発される。
ニアーテスト(肩関節を前方挙上・内旋)やホーキンステスト(90度屈曲位で内旋)がインピンジメント徴候の代表的検査法である。