1. [誤り]失調症(運動失調)は小脳やその関連経路の障害でみられる症状であり、体幹失調・四肢の測定障害・企図振戦・失調性歩行などを呈する。左中大脳動脈領域の脳梗塞の典型的症状ではない。
2. [正解]右利きの患者では約90%以上で左大脳半球が言語の優位半球である。左中大脳動脈領域にはブローカ野(前頭葉の運動性言語中枢)やウェルニッケ野(側頭葉の感覚性言語中枢)が存在するため、この領域の脳梗塞では失語症がもっとも高頻度にみられる。中大脳動脈の閉塞では対側の片麻痺に加え、優位半球では失語、大脳皮質症状が出現する。本症例で右片麻痺を生じていることも左半球障害を裏付けている。
3. [誤り]左半側空間無視は非優位半球(右半球)の頭頂葉障害で生じる症状である。本症例は左半球の障害であるため、左半側空間無視は出現しない。仮に右半球障害であれば左半側空間無視がみられる可能性がある。
4. [誤り]注意障害はびまん性の脳損傷や右半球損傷でより顕著にみられることが多い。左半球損傷の本症例では、失語症のほうがはるかに特徴的かつ高頻度にみられる症状である。