第11章 神経疾患 / A. 脳血管疾患
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Question
問題 1050 認知症の症状とその原因となる病態の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1トイレ以外で放尿する――――――――失行不正解
  2. 2テレビのリモコンが使えない―――――失認不正解
  3. 3「財布がない」と大騒ぎをする――――記銘力障害正解!
  4. 4料理ができない―――――――――――見当識障害不正解
Explanation
解説
1. [誤り]トイレ以外で放尿するのは場所の見当識障害や前頭葉機能障害による脱抑制が原因であり、失行ではない。失行とは運動機能自体には問題がないのに、学習した意図的な動作が遂行できない状態を指す(例:着衣失行、観念運動失行など)。
2. [誤り]テレビのリモコンが使えないのは失行(道具の使用の障害=観念失行)に該当し、失認ではない。失認とは感覚機能(視覚・聴覚など)自体には問題がないのに、対象を正しく認識できない状態を指す(例:相貌失認、半側空間無視など)。
3. [正解]「財布がない」と大騒ぎをするのは記銘力障害(近時記憶の障害)が原因である。財布をどこに置いたか記憶できないために見つけられず、「盗まれた」と訴える物盗られ妄想に発展することもある。これはアルツハイマー型認知症の初期にしばしばみられる症状であり、記銘力障害を基盤とした行動・心理症状(BPSD)の一つである。
4. [誤り]料理ができないのは遂行機能障害(実行機能障害)が主な原因である。料理は献立を考え、材料を準備し、手順を計画して実行する複雑な課題であり、前頭葉機能に依存する。見当識障害は時間・場所・人物の認識が障害される状態であり、料理ができないこととは直接的な対応関係にない。
Key Points
ポイント
  • 認知症の各症状と対応する高次脳機能障害を正確に結びつけて理解する
  • 失行(動作の障害)と失認(認識の障害)を混同しないこと
  • 記銘力障害は物盗られ妄想などのBPSDの基盤となる
  • 重要用語: 記銘力障害, 失行, 失認, 見当識障害, 遂行機能障害 を正確に理解しておくこと。
高次脳機能障害定義具体的な症状例
記銘力障害新しい情報を記憶できない物の置き場所を忘れる、物盗られ妄想
失行運動機能は正常だが意図した動作ができないリモコンが使えない、着衣ができない
失認感覚は正常だが対象を認識できない顔がわからない(相貌失認)
見当識障害時間・場所・人物の認識障害日時がわからない、迷子になる
遂行機能障害計画・実行能力の障害料理ができない、段取りが立てられない
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