1. [正解]腱反射消失は錐体路障害ではなく、下位運動ニューロン障害または末梢神経障害で生じる所見である。錐体路(上位運動ニューロン)障害では、脊髄前角細胞に対する抑制が解除されるため、深部腱反射は亢進し、病的反射(バビンスキー徴候、ホフマン反射など)が陽性となる。また痙性麻痺(筋緊張亢進)を呈する。腱反射が消失するのは、脊髄前角細胞、神経根、末梢神経、神経筋接合部、筋などが障害された場合であり、弛緩性麻痺(筋緊張低下)を伴う。
2. [誤り]大脳皮質は記憶、判断、言語などの高次脳機能を司っており、その萎縮により知能障害(認知症)を呈する。アルツハイマー病では大脳皮質のびまん性萎縮、多数の老人斑、神経原線維変化が認められ、進行性の認知症をきたす。CT・MRI検査でびまん性大脳萎縮がみられる。
3. [誤り]失語症は言語中枢の障害による高次脳機能障害である。左前頭葉のブローカ野(運動性言語中枢)が障害されると運動性失語(言葉が出にくいが理解は良好)、左側頭葉のウェルニッケ野(感覚性言語中枢)が障害されると感覚性失語(流暢に話すが意味不明、理解も障害)を呈する。
4. [誤り]脊髄前角細胞は下位運動ニューロンの細胞体が存在する部位であり、その変性により支配筋への神経支配が失われ筋萎縮をきたす。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ポリオ(急性灰白髄炎)などで前角細胞が障害され、進行性の筋萎縮、筋力低下、筋線維束攣縮(fasciculation)を呈する。