1. [誤り]尿酸ナトリウム結晶は痛風で認められる結晶であり、偏光顕微鏡で針状・負の複屈折を示す。痛風は第1中足趾節関節に好発し、中年男性に多い。本症例は87歳女性で膝関節であり、痛風よりも偽痛風を考える。
2. [誤り]ヒアルロン酸ナトリウムは関節液の正常成分(潤滑・緩衝作用)であり、病的な結晶として関節内に沈着するものではない。変形性関節症に対する関節注射薬として使用されることがある。
3. [誤り]シュウ酸カルシウムは腎結石(尿路結石)の最も多い成分であり、関節液中に結晶として沈着する疾患は一般的でない。透析患者でまれにシュウ酸カルシウム結晶関節炎がみられることがあるが、頻度は低い。
4. [正解]ピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)結晶は偽痛風(CPPD沈着症)で関節液中に認められる。偏光顕微鏡では弱い正の複屈折を示す菱形・棒状の結晶として観察される。高齢者の大関節(膝関節)に好発し、急性の関節炎として発症する。X線では関節軟骨の石灰化(軟骨石灰化症)が特徴的所見である。