第10章 血液・造血器疾患 / A. 赤血球疾患
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Question
問題 961 「48歳の女性。1年前から月経血量が増え、労作時に息切れするようになった。手術歴はない。眼瞼結膜は蒼白である。出血傾向、黄疸、浮腫はない。」最も考えられる疾患はどれか。
  1. 1再生不良性貧血不正解
  2. 2鉄欠乏性貧血正解!
  3. 3溶血性貧血不正解
  4. 4悪性貧血不正解
Explanation
解説
1. [誤り]再生不良性貧血は汎血球減少(赤血球・白血球・血小板の減少)を呈し、血小板減少による出血傾向(皮下出血、鼻出血、歯肉出血など)を伴う。本症例では出血傾向がないため再生不良性貧血は否定的である。
2. [正解]48歳女性で月経血量増加と労作時息切れ、眼瞼結膜蒼白の所見から、月経過多による慢性失血に伴う鉄欠乏性貧血が最も考えられる。月経過多は閉経前女性の鉄欠乏性貧血の最多原因であり、慢性的な鉄喪失によりヘモグロビン合成が低下し、組織への酸素供給不足から労作時息切れが生じる。出血傾向も黄疸もないことから他の貧血は否定的である。
3. [誤り]溶血性貧血では赤血球破壊により間接ビリルビンが増加し黄疸を伴う。また、脾腫もみられることが多い。本症例では黄疸がないため溶血性貧血は否定的である。
4. [誤り]悪性貧血はビタミンB12欠乏(内因子欠乏による吸収障害)による巨赤芽球性貧血で、月経過多とは関連しない。悪性貧血では神経症状(手足のしびれ、位置覚低下、振動覚低下)や萎縮性舌炎(ハンター舌炎)を伴うことが多い。
Key Points
ポイント
  • 月経過多は閉経前女性における鉄欠乏性貧血の最多原因である。
  • 鉄欠乏性貧血の診断には月経歴の聴取が重要である。
  • 再生不良性貧血→出血傾向あり、溶血性貧血→黄疸あり、という鑑別点を押さえる。
  • 眼瞼結膜蒼白は貧血の重要な身体診察所見である。
  • 重要用語: 鉄欠乏性貧血, 月経過多, 慢性失血, 眼瞼結膜蒼白, 労作時息切れ を正確に理解しておくこと。
貧血の種類特徴的な随伴症状特徴的所見
鉄欠乏性貧血スプーン状爪、舌炎小球性低色素性貧血
再生不良性貧血出血傾向、易感染性汎血球減少
溶血性貧血黄疸、脾腫間接ビリルビン増加
悪性貧血神経症状、舌炎大球性貧血、核過分葉
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