第10章 血液・造血器疾患 / A. 赤血球疾患
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Question
問題 960 「48歳の女性。1年前から月経血量が増え、労作時に息切れするようになった。手術歴はない。眼瞼結膜は蒼白である。出血傾向、黄疸、浮腫はない。」最もみられる所見はどれか。
  1. 1手掌紅斑不正解
  2. 2ばち指不正解
  3. 3スプーン状爪正解!
  4. 4クモ状血管腫不正解
Explanation
解説
1. [誤り]手掌紅斑は肝硬変でみられるエストロゲン代謝障害の所見である。肝臓でのエストロゲンの不活化が低下するため、末梢血管が拡張し手掌が紅潮する。本症例は月経過多による貧血であり、肝硬変の所見ではない。
2. [誤り]ばち指は指の末端が太鼓のばちのように膨隆する所見で、慢性呼吸器疾患(肺癌、気管支拡張症)や先天性心疾患(チアノーゼ型)などの慢性低酸素状態でみられる。貧血の所見ではない。
3. [正解]本症例は月経過多による慢性失血から鉄欠乏性貧血を生じている。鉄欠乏性貧血ではスプーン状爪(匙状爪、コイロニキア)が特徴的所見としてみられる。爪が薄く脆くなり、中央が凹んで縁が反り返る特徴的な変形で、鉄補充により数ヶ月で改善する。
4. [誤り]クモ状血管腫は肝硬変によるエストロゲン代謝障害でみられる所見である。胸部・顔面・上肢などに中心から放射状に血管が拡張する特徴的な病変で、中央を圧迫すると周囲の紅斑が消失する。本症例とは関連しない。
Key Points
ポイント
  • 月経過多は閉経前女性における鉄欠乏性貧血の最多原因である。
  • 鉄欠乏性貧血の特異的所見:スプーン状爪、舌乳頭萎縮、嚥下障害(プランマー・ビンソン症候群)。
  • 手掌紅斑・クモ状血管腫は肝硬変、ばち指は慢性低酸素状態の所見である。
  • 眼瞼結膜蒼白は貧血の重要な身体所見である。
  • 重要用語: 鉄欠乏性貧血, スプーン状爪, 月経過多, 慢性失血, 眼瞼結膜蒼白 を正確に理解しておくこと。
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