第10章 血液・造血器疾患 / A. 赤血球疾患
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Question
問題 958 貧血について誤っている組合せはどれか。
  1. 1悪性貧血 ― ビタミンB12 欠乏不正解
  2. 2鉄欠乏性貧血 ― 総鉄結合能低下正解!
  3. 3溶血性貧血 ― 黄疸不正解
  4. 4再生不良性貧血 ― 骨髄の造血細胞減少不正解
Explanation
解説
1. [誤り]悪性貧血はビタミンB12欠乏(内因子欠乏による吸収障害)が原因の巨赤芽球性貧血である。胃粘膜の萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)により内因子が分泌されず、ビタミンB12が回腸で吸収されない。抗内因子抗体、抗胃壁細胞抗体が陽性となる。
2. [正解]鉄欠乏性貧血では鉄を運搬するトランスフェリンが代償的に増加するため、総鉄結合能(TIBC:total iron-binding capacity)は上昇する。低下ではない。血清鉄は低下するが、鉄と結合していないトランスフェリン(不飽和鉄結合能:UIBC)が増加するため、TIBCは増加する。TIBCが低下するのは慢性炎症性貧血やたんぱく質欠乏状態である。
3. [誤り]溶血性貧血では赤血球の破壊により遊離したヘモグロビンが分解され、間接ビリルビンが増加し黄疸をきたす。肝臓でのビリルビン処理能力を超えると血中の間接ビリルビンが上昇する。尿・便中のウロビリノゲンも増加する。
4. [誤り]再生不良性貧血では骨髄の多能性造血幹細胞が減少し、骨髄が低形成となり脂肪髄化する。骨髄検査では造血細胞(赤芽球・顆粒球系細胞・巨核球)が著明に減少し、脂肪組織に置き換わっている所見が認められる。
Key Points
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血ではTIBC(総鉄結合能)は上昇し、UIBC(不飽和鉄結合能)も上昇する。
  • TIBC = 血清鉄 + UIBC の関係が成り立つ。
  • 鉄欠乏性貧血では血清鉄↓、TIBC↑、UIBC↑、フェリチン↓が特徴的である。
  • 慢性炎症性貧血ではTIBCが低下するため、鉄欠乏性貧血との鑑別に有用である。
  • 重要用語: TIBC, UIBC, トランスフェリン, 血清鉄, フェリチン を正確に理解しておくこと。
検査項目鉄欠乏性貧血慢性炎症性貧血正常
血清鉄低下低下正常
TIBC(総鉄結合能)増加低下正常
UIBC(不飽和鉄結合能)増加低下~正常正常
血清フェリチン低下正常~増加正常
トランスフェリン飽和度低下低下正常
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