1. [誤り]鉄欠乏により爪が薄く脆くなり、スプーン状(匙状爪)に変形する。爪の中央が凹んで縁が反り返る特徴的な所見で、鉄欠乏性貧血に特有の症状である。鉄補充により数ヶ月で改善する。
2. [誤り]鉄欠乏により上皮細胞の再生が障害され、舌乳頭の萎縮がみられる。舌が平滑化し光沢を帯びた外観となる(萎縮性舌炎)。食事時の痛みや味覚異常を伴うこともある。
3. [正解]チアノーゼは鉄欠乏性貧血の症状ではない。チアノーゼは還元ヘモグロビンの増加(毛細血管血中に5g/dL以上)により皮膚・粘膜が青紫色を呈する状態である。しかし、貧血ではヘモグロビン総量が減少しているため、たとえ酸素化が不十分でも還元ヘモグロビンが絶対的に増加しにくく、チアノーゼは出現しにくい。むしろ貧血では顔面蒼白となる。
4. [誤り]貧血による酸素運搬能低下を心拍出量増加で代償するため頻脈(動悸)がみられる。心臓は拍出量を増やして全身への酸素供給を維持しようとするため、安静時でも心拍数が増加し、労作時にはさらに著明な頻脈となる。