1. [誤り]被殻出血は脳出血の最好発部位(約40%)であるが、対側の片麻痺や病巣側への共同偏視が特徴的所見である。著しい縮瞳(pinpoint pupil)や眼球正中固定は被殻出血の典型的所見ではなく、本症例の所見とは合致しない。
2. [誤り]視床出血では対側の感覚障害が主症状であり、両眼の内下方偏視(鼻先を見るような偏視)が特徴的な眼球所見である。著しい縮瞳は視床出血の特徴的所見ではなく、本症例の所見からは視床出血は考えにくい。
3. [正解]眼球正中固定と著しい縮瞳(pinpoint pupil)は橋出血に特徴的な所見である。橋には瞳孔散大に関与する交感神経路が走行しており、橋出血により両側の交感神経路が障害されるため著しい縮瞳を生じる。また、四肢の伸展・内旋(除脳硬直)は中脳〜橋レベルの障害を反映する所見である。高血圧の既往がある本症例では高血圧性橋出血が最も考えられる。
4. [誤り]内包出血では対側の完全片麻痺(顔面を含む上下肢の麻痺)が特徴的であるが、著しい縮瞳や除脳硬直は通常みられない。内包は錐体路が集中する部位であり、片麻痺が主要な症状である。