1. [誤り]蛋白尿は高血圧による腎障害(高血圧性腎硬化症)の所見として出現する。長期にわたる高血圧は腎臓の細小動脈を障害し、糸球体硬化を引き起こすことで蛋白尿が出現する。微量アルブミン尿は高血圧性腎障害の早期マーカーとして重要である。
2. [誤り]心肥大(特に左室肥大)は高血圧による後負荷の増大に対する代償機転として生じる。心臓は持続的な圧負荷に対抗して心筋が肥厚(求心性肥大)し、心電図で左室肥大所見が認められるようになる。高血圧性心肥大は心不全の危険因子でもある。
3. [正解]血中ナトリウム(血清Na)の上昇は高血圧症の特徴的な臨床所見ではない。高血圧患者では食塩(ナトリウム)の過剰摂取が問題となるが、腎臓のナトリウム排泄調節機能により血中ナトリウム濃度は通常正常範囲に維持される。高血圧の臓器障害として認められるのは蛋白尿(腎障害)、心肥大(心障害)、眼底変化(血管障害)である。
4. [誤り]眼底細動脈の狭細化は高血圧性眼底変化の特徴的所見である。Keith-Wagener(KW)分類により眼底変化の程度を評価する。I度は軽度の細動脈狭細、II度は動静脈交叉現象、III度は出血・白斑、IV度はうっ血乳頭を伴う。眼底検査は高血圧の臓器障害評価に不可欠である。