1. [誤り]多発性硬化症では中枢神経系の脱髄により髄液中のIgGが増加し、オリゴクローナルバンドが陽性となる。髄液蛋白は減少ではなく正常〜やや増加する。また、髄液中のミエリン塩基性蛋白が増加することがある。「髄液タンパク減少」は誤りである。
2. [誤り]多発性神経炎(多発ニューロパチー)は末梢神経の障害であり、下位運動ニューロン障害に相当する。したがって、弛緩性麻痺、筋萎縮、深部腱反射の低下・消失を呈する。痙性麻痺は上位運動ニューロン障害(錐体路障害)の所見であり、多発性神経炎には該当しない。
3. [誤り]脊髄癆は梅毒の晩期合併症として生じる脊髄後索・後根の変性疾患である。後索障害により深部感覚(位置覚・振動覚)が障害され、また後根障害により深部腱反射は亢進ではなく消失する。電撃痛やアーガイル・ロバートソン瞳孔も特徴的な所見である。
4. [正解]シャイ・ドレーガー症候群は多系統萎縮症(MSA)の一型であり、自律神経障害を主徴とする進行性の神経変性疾患である。起立性低血圧は本症候群の最も特徴的な症状であり、起立時に著明な血圧低下をきたし、めまい、立ちくらみ、失神が出現する。排尿障害、発汗障害、性機能障害なども伴う。