1. [誤り]肉ばなれ(筋断裂)は運動中に突然の激痛とともに発症する急性の筋損傷であり、運動中その場で動けなくなるほどの症状が出る。本症例のように運動当日は無症状で2日後に発症するという経過とは明らかに異なる。
2. [正解]本症例は遅発性筋肉痛(DOMS: Delayed Onset Muscle Soreness)の典型例である。久しぶりの運動(山歩き)の2日後に筋肉痛が出現するという経過は、伸張性収縮(エキセントリック収縮)により筋線維に微細な損傷が生じ、その後の炎症反応により疼痛が遅れて出現するという遅発性筋肉痛の病態に合致する。山歩きの下り坂では大腿四頭筋がエキセントリック収縮を繰り返し、筋線維が損傷される。
3. [誤り]下腿の虚血による筋肉痛は閉塞性動脈硬化症(ASO)などの動脈閉塞性疾患でみられる間欠跛行であり、歩行中に出現し安静で軽快するのが特徴である。運動の2日後に発症する本症例の経過とは病態が全く異なる。
4. [誤り]筋膜の炎症(筋膜炎)は慢性的な過負荷やストレスにより起こりうるが、本症例のように久しぶりの運動後2日で生じる典型的な筋肉痛の主因としては筋線維の微細損傷(遅発性筋肉痛)が最も適切である。