1. [正解]労作性狭心症の胸痛は一過性の心筋虚血によるもので、安静やニトログリセリン舌下投与で数分から15分程度で消失する。一方、急性心筋梗塞では冠動脈の完全閉塞により心筋壊死が生じるため、胸痛は30分以上持続し、ニトログリセリンでは改善しない。この胸痛持続時間の差が両者を鑑別する最も明確な指標である。
2. [誤り]呼吸困難は両者ともに出現しうる症状であるが、その程度の違いのみでは明確な鑑別は困難である。心筋梗塞のほうが重症で呼吸困難の程度が強いことが多いが、個人差が大きく、鑑別の決定打とはならない。
3. [誤り]放散痛の部位は両疾患ともに左肩、左腕、顎、背部に出現しうるため、放散痛の部位の違いでは両者を明確に鑑別することはできない。放散痛の出現パターンは共通しており、鑑別に有用な指標ではない。
4. [誤り]症状出現の時刻は両者を鑑別する明確な指標とはならない。労作性狭心症は労作時(朝の急いでいるときなど)に出現しやすいが、心筋梗塞は午前6時から正午に発症が多いものの、時刻を問わず発症しうるため、時刻のみでの鑑別は困難である。