1. [正解]労作時(労作性)狭心症は身体活動により心筋の酸素需要が増大した際に、冠動脈狭窄のため酸素供給が追いつかず胸痛(狭心痛)が出現する病態である。階段昇降などの労作で誘発され、安静にすることで心筋酸素需要が低下し、数分で症状が軽快するのが典型的な経過である。冠動脈の断面積が75%以上狭窄すると労作時に狭心痛が出現する。
2. [誤り]安静時狭心症は安静時に発症する狭心症であり、冠動脈の95%以上の高度狭窄により安静時でも心筋虚血が生じる病態である。本症例は労作時に発症し安静で軽快しているため、安静時狭心症の経過とは合致しない。
3. [誤り]異型狭心症(冠攣縮性狭心症)は冠動脈の攣縮(スパズム)により冠血流が一時的に途絶して胸痛が出現する病態である。主に夜中から明け方にかけての安静時に出現し、心電図ではST上昇がみられる。労作との関連は薄く、本症例の経過とは異なる。
4. [誤り]心筋梗塞は冠動脈の完全閉塞により心筋壊死が生じた状態である。胸痛は30分以上持続し、安静やニトログリセリン舌下では軽快しない。冷汗や嘔気・嘔吐を伴うことが多い。「数分の安静で軽快する」胸痛は心筋梗塞の経過と明らかに異なる。