第09章 循環器疾患 / A. 心臓疾患
1 / 3
Question
問題 876 「78 歳の男性。胸痛、呼吸困難の精査のため受診。心電図検査で左室肥大所見を認めた。心エコー検査では著明な大動脈弁口の狭窄と左室-大動脈間の圧較差がみられた。」本疾患の原因で適切なのはどれか。
  1. 1リウマチ熱正解!
  2. 2大動脈解離不正解
  3. 3心房中隔欠損症不正解
  4. 4肺動脈血栓塞栓症不正解
Explanation
解説
1. [正解]大動脈弁狭窄症の原因として、先天性(二尖性大動脈弁)、リウマチ性、加齢による弁の石灰化変性の3つが挙げられる。リウマチ熱はA群溶血性連鎖球菌感染後に生じる自己免疫反応であり、弁膜の炎症・線維化・癒合を引き起こし、最終的に大動脈弁の狭窄をきたす。リウマチ性の大動脈弁狭窄症では僧帽弁狭窄症を合併していることも多い。
2. [誤り]大動脈解離は大動脈壁の中膜が内外2層に解離する疾患であり、大動脈弁閉鎖不全症の原因にはなりうるが、大動脈弁狭窄症の原因にはならない。解離により弁輪が拡大して弁の接合不良が生じることで閉鎖不全症が起こる。
3. [誤り]心房中隔欠損症は心房中隔に欠損孔がある先天性心疾患であり、左房から右房への血液シャントを生じる。大動脈弁の狭窄とは全く異なる病態であり、大動脈弁狭窄症の原因にはならない。
4. [誤り]肺動脈血栓塞栓症は深部静脈血栓が肺動脈に塞栓を起こす疾患であり、右心系の急性負荷を引き起こす。大動脈弁や左心系とは直接関連しない病態であり、大動脈弁狭窄症の原因にはならない。
Key Points
ポイント
  • 大動脈弁狭窄症の3つの原因(先天性・リウマチ性・加齢性石灰化)を正確に覚える。78歳男性であれば加齢性の石灰化変性も考えられるが、選択肢としてはリウマチ熱が原因として適切である。
  • 大動脈解離は大動脈弁「閉鎖不全症」の原因となり、「狭窄症」の原因にはならない点に注意。
  • 重要用語: リウマチ熱, 大動脈弁狭窄症の原因, 石灰化変性 を正確に理解しておくこと。
大動脈弁狭窄症の原因特徴
先天性(二尖性大動脈弁)生後次第に狭窄が進行
リウマチ性リウマチ熱後の弁の炎症・線維化・癒合
加齢による石灰化変性高齢者に多く、弁の変性・石灰沈着
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶