1. [誤り]気胸は肺胞の破裂や胸壁の損傷によって胸腔内に空気が貯留した状態であり、大動脈解離の直接的な合併症ではない。気胸では呼吸困難や患側の呼吸音減弱がみられるが、大動脈解離とは病態が異なる。
2. [誤り]間質性肺炎は肺の間質に炎症が生じる疾患群であり、薬剤性や膠原病関連など様々な原因がある。大動脈解離の合併症として間質性肺炎が生じることはなく、両者に直接的関連はない。
3. [誤り]大動脈弁狭窄症は弁の石灰化変性やリウマチ性変化などにより大動脈弁口が狭窄する疾患であり、大動脈解離の合併症ではない。ただし、大動脈解離が上行大動脈に及ぶと大動脈弁閉鎖不全症を合併することがあり、この点の鑑別が重要である。
4. [正解]大動脈解離(特にStanford A型)では、解離が上行大動脈に及ぶと大動脈壁から心嚢腔内に出血し、心嚢液が急速に貯留して心タンポナーデを引き起こす。心タンポナーデでは心室の拡張が障害されて心拍出量が急激に低下し、ショックや突然死に至る危険がある。急性A型解離の発症初期における心タンポナーデによる突然死は高率である。