第09章 循環器疾患 / A. 心臓疾患
1 / 3
Question
問題 849 先天性疾患に属するのはどれか。
  1. 1解離性大動脈瘤不正解
  2. 2心房中隔欠損症正解!
  3. 3僧帽弁狭窄症不正解
  4. 4三尖弁閉鎖不全症不正解
Explanation
解説
1. [誤り]解離性大動脈瘤は大動脈壁の中膜が内外2層に解離し、解離腔に血腫を形成した状態である。動脈硬化・高血圧・マルファン症候群などの大動脈壁の脆弱性を基盤として後天的に発症する疾患であり、先天性疾患ではない。
2. [正解]心房中隔欠損症(ASD)は左右の心房を隔てる心房中隔に欠損孔が存在する先天性心疾患である。胎生期の心房中隔形成過程の異常により生じ、欠損孔を通じて左房から右房へ血液が流入する。心室中隔欠損症に次いで頻度が高く、成人の先天性心疾患の中では最も多くみられる。
3. [誤り]僧帽弁狭窄症は僧帽弁口が狭窄し、拡張期に左房から左室への血液流入が障害される状態である。原因はリウマチ熱(A群溶血性連鎖球菌感染後の自己免疫反応)による心内膜炎が最も多く、抗生物質の普及により今後は減少すると推定されている。後天性弁膜症である。
4. [誤り]三尖弁閉鎖不全症は収縮期に三尖弁が完全に閉鎖しないため、右室から右房へ血液が逆流する状態である。リウマチ性、感染性心内膜炎、肺高血圧などが原因となる後天性疾患であり、右房・右室の負荷や右心不全をきたす。このとき僧帽弁や大動脈弁にも異常を認める場合が多い。
Key Points
ポイント
  • 代表的な先天性心疾患には心室中隔欠損症(最頻)と心房中隔欠損症があり、心房中隔欠損症は成人の先天性心疾患では最多である。
  • 僧帽弁狭窄症や三尖弁閉鎖不全症はリウマチ熱や感染性心内膜炎などの後天性要因による弁膜症である。
  • 解離性大動脈瘤は動脈硬化性変化を基盤とする後天性の血管疾患である。
  • 重要用語: 心房中隔欠損症, 先天性心疾患, リウマチ熱, 後天性弁膜症 を正確に理解しておくこと。
疾患名先天性/後天性主な原因・病態
心房中隔欠損症先天性心房中隔形成過程の異常
心室中隔欠損症先天性心室中隔形成過程の異常(最頻)
僧帽弁狭窄症後天性リウマチ熱後遺症が多い
三尖弁閉鎖不全症後天性リウマチ性・肺高血圧など
解離性大動脈瘤後天性動脈硬化・高血圧
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶