第08章 整形外科疾患 / I. その他の整形外科疾患
1 / 3
Question
問題 842 「50歳の男性。1か月前から右上腕と手背の橈側にしびれ感と痛みがある。右上肢に脱力感があり肩も挙上しにくい。近医にての診断を受けた。」この症例に行うテストで適切なのはどれか。
  1. 1ジャクソンテスト正解!
  2. 2ライトテスト不正解
  3. 3ヤーガソンテスト不正解
  4. 4ボンネットテスト不正解
Explanation
解説
1. [正解]ジャクソンテストは頸椎神経根症の代表的な検査法であり、本症例に最も適切である。 座位で頭部を後屈させ上から軸圧を加える検査で、椎間孔が狭窄されて神経根が圧迫されると患側上肢に痛みやしびれが放散する。右上腕と手背橈側のしびれ・痛み、上肢脱力、肩挙上困難はC5-C6神経根の障害を示唆し、頸椎症性神経根症が考えられる。スパーリングテストとともに頸椎神経根症の診断に有用な検査である。
2. [誤り]ライトテストは胸郭出口症候群の検査法であり、上肢を外転・外旋位にして橈骨動脈の拍動減弱や消失を確認する。 過外転症候群の診断に用いるものであり、頸椎神経根症の検査としては不適切である。
3. [誤り]ヤーガソンテストは上腕二頭筋長頭腱炎の検査法であり、前腕回外に抵抗を加えて結節間溝部の疼痛を誘発する。 神経根症状の評価には用いない検査である。
4. [誤り]ボンネットテストは梨状筋症候群の検査法であり、股関節屈曲・内旋・内転で梨状筋を伸張し坐骨神経痛の再現を確認する。 下肢の疾患に対する検査であり、頸椎疾患には不適切である。 | 徒手検査 | 対象疾患 | 検査手技の概要 | |:---|:---|:---| | ジャクソンテスト | 頸椎神経根症 | 頭部後屈+軸圧で上肢放散痛を確認 | | スパーリングテスト | 頸椎神経根症 | 頭部患側側屈・後屈+軸圧 | | ライトテスト | 胸郭出口症候群 | 上肢外転・外旋で脈拍減弱を確認 | | ヤーガソンテスト | 上腕二頭筋長頭腱炎 | 前腕回外抵抗で結節間溝部痛を誘発 | | ボンネットテスト | 梨状筋症候群 | 股関節屈曲・内旋で坐骨神経痛を確認 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 徒手検査と対象疾患の対応</p>
Key Points
ポイント
  • 右上腕と手背橈側のしびれ・痛み、上肢脱力、肩挙上困難はC5-C6神経根の障害を示唆し、頸椎症性神経根症が考えられる。ジャクソンテストは頸椎の椎間孔圧迫テストで神経根症状を誘発する検査として適切である。ライトテストは胸郭出口症候群、ヤーガソンテストは上腕二頭筋長頭腱炎、ボンネットテストは梨状筋症候群の検査である。
  • 重要用語: ジャクソンテスト, 頸椎症性神経根症, C5-C6, スパーリングテスト を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶