1. [誤り]肘内障では肘関節に腫脹は認めない。外観上の変形や腫脹がないのが特徴であり、患児は痛みのために腕を動かさず下垂したままにする。
肘外側部に腫脹がある場合は上腕骨外顆骨折などの骨折を疑うべきである。
2. [誤り]肘関節の外反動揺性は内側側副靱帯損傷でみられる所見であり、肘内障の所見ではない。
肘内障は靱帯の不安定性とは無関係な橈骨頭の亜脱臼である。
3. [誤り]肘内障は橈骨頭の輪状靱帯からの亜脱臼であり、腕橈関節の後方脱臼ではない。
完全な脱臼ではなく不完全脱臼(亜脱臼)であり、2〜4歳の小児で輪状靱帯が未発達なために生じる。
4. [正解]肘内障では単純エックス線像で異常を認めない。
橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼する疾患であるが、骨の配列に明らかな異常はなく、骨折もないためX線で描出される所見はみられない。診断は臨床症状と手を引っ張られたという病歴から行い、前腕を回外しながら肘を屈曲する徒手整復でクリック音が触知されれば整復成功であり、同時に確定診断ともなる。
| 項目 | 肘内障 | 肘関節脱臼 |
|:---|:---|:---|
| 好発年齢 | 2〜4歳の小児 | 成人にも好発 |
| 病態 | 橈骨頭の輪状靱帯からの亜脱臼 | 腕尺関節の完全脱臼 |
| 腫脹 | なし | あり |
| X線所見 | 異常なし | 脱臼像を認める |
| 整復 | 回外・屈曲操作で容易 | 全身麻酔下で行うこともある |
<p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 肘内障と肘関節脱臼の比較</p>