1. [正解]せん妄は急性に発症する一過性の意識変容であり、注意力低下・見当識障害・幻覚・興奮・ちぐはぐな言動などを呈する。
高齢者の術後は身体的ストレス(手術侵襲・疼痛・麻酔の影響)と環境の変化(入院・夜間)が重なり、せん妄を発症しやすい。特に夜間に増悪する傾向があり(夜間せん妄)、適切な対応により可逆的に改善する。85歳の高齢者が大腿骨頸部骨折の手術翌日の夜に急にちぐはぐな言動が出現したことから、せん妄が最も考えられる。
2. [誤り]認知症は数ヵ月〜数年かけて緩徐に進行する慢性的な認知機能低下である。
手術翌日に急性に発症する病態ではなく、本症例の経過とは合致しない。
3. [誤り]うつ病は持続的な気分の落ち込み・意欲低下・興味の喪失が主症状である。
術後翌日に急に「ちぐはぐな言動」が出現する経過はうつ病の症状としては典型的ではない。
4. [誤り]不安神経症は過度な不安や心配が主症状であり、意識変容やちぐはぐな言動は典型的な症状ではない。
不安神経症では意識は清明であるのが通常である。