第08章 整形外科疾患 / H. 外傷
1 / 3
Question
問題 825 次の文で示す症例の病態で正しいのはどれか。「85歳の女性。左大腿骨頸部骨折の手術を受けた翌日の夜に、ちぐはぐな言動が出現した。」
  1. 1せん妄正解!
  2. 2認知症不正解
  3. 3うつ病不正解
  4. 4不安神経症不正解
Explanation
解説
1. [正解]せん妄は急性に発症する一過性の意識変容であり、注意力低下・見当識障害・幻覚・興奮・ちぐはぐな言動などを呈する。 高齢者の術後は身体的ストレス(手術侵襲・疼痛・麻酔の影響)と環境の変化(入院・夜間)が重なり、せん妄を発症しやすい。特に夜間に増悪する傾向があり(夜間せん妄)、適切な対応により可逆的に改善する。85歳の高齢者が大腿骨頸部骨折の手術翌日の夜に急にちぐはぐな言動が出現したことから、せん妄が最も考えられる。
2. [誤り]認知症は数ヵ月〜数年かけて緩徐に進行する慢性的な認知機能低下である。 手術翌日に急性に発症する病態ではなく、本症例の経過とは合致しない。
3. [誤り]うつ病は持続的な気分の落ち込み・意欲低下・興味の喪失が主症状である。 術後翌日に急に「ちぐはぐな言動」が出現する経過はうつ病の症状としては典型的ではない。
4. [誤り]不安神経症は過度な不安や心配が主症状であり、意識変容やちぐはぐな言動は典型的な症状ではない。 不安神経症では意識は清明であるのが通常である。
Key Points
ポイント
  • 高齢者の術後に急性発症した意識変容・ちぐはぐな言動は「せん妄」である。せん妄は夜間に増悪しやすく(夜間せん妄)、可逆的な状態である。認知症は緩徐に進行する不可逆性の病態であり、急性発症とは区別する。高齢・手術・入院・夜間がせん妄の主要な誘因である。
  • 重要用語: せん妄, 夜間せん妄, 認知症との鑑別 を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶