1. [正解](誤っている記述=正答)横隔膜はC3〜C5の横隔神経に支配されており、脊髄の中心部が損傷される頸髄中心性損傷では横隔神経の経路は比較的保たれる。
横隔膜呼吸が消失するのはC3以上の上位頸髄の完全損傷の場合であり、中心性損傷では横隔膜機能は保持されるため、この記述は誤りである。
2. [誤り]脊髄中心部の灰白質(前角細胞)が障害されるため、上肢の運動ニューロンが傷害されて両上肢の脱力がみられる。
頸髄中心性損傷では上肢の症状が下肢より顕著であるのが特徴的である。
3. [誤り]下肢の錐体路(皮質脊髄路)は脊髄の外側部を走行するため中心性損傷では比較的保たれるが、一部の障害により痙性麻痺が生じ膝蓋腱反射が亢進する。
下肢の深部腱反射亢進は錐体路障害の所見として矛盾しない。
4. [誤り]脊髄中心部には膀胱機能に関与する自律神経経路が含まれており、中心性損傷により排尿困難(膀胱直腸障害)がみられる。
脊髄損傷では排尿障害は重要な随伴症状の一つである。
| 症状 | 頸髄中心性損傷での出現 | 機序 |
|:---|:---|:---|
| 上肢の脱力 | ○(上肢優位) | 前角細胞の障害 |
| 下肢の痙性麻痺 | ○(軽度〜中等度) | 外側の錐体路の部分障害 |
| 膝蓋腱反射亢進 | ○ | 錐体路障害 |
| 排尿困難 | ○ | 自律神経経路の障害 |
| 横隔膜呼吸消失 | × | C3-5の横隔神経は保たれる |
<p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 頸髄中心性損傷における症状の出現パターン</p>