第08章 整形外科疾患 / H. 外傷
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Question
問題 805 「85歳の女性。骨粗鬆症の治療中。トイレに行こうとして転倒、殿部と腰を打撲し、歩けなくなった。股関節は外旋位をとり、痛みは右殿部に強い。」この病態について正しい記述はどれか。
  1. 1坐骨神経損傷が多い。不正解
  2. 2寝返り動作は障害されにくい。不正解
  3. 3寝たきりの原因となる危険性が高い。正解!
  4. 4保存療法で歩行予後は良好である。不正解
Explanation
解説
1. [誤り]大腿骨頸部骨折において坐骨神経損傷を合併することは稀である。 坐骨神経は骨盤後方を通るため、頸部骨折の受傷機転で直接損傷されにくい。
2. [誤り]大腿骨頸部骨折では寝返り動作でも骨折部に外力が加わり強い疼痛が生じる。 股関節のわずかな動きでも痛みが増強するため、寝返りは明らかに障害される。
3. [正解]大腿骨頸部骨折は高齢者の寝たきりの最大原因の一つである。 長期臥床を余儀なくされると、認知症の進行、肺炎、褥瘡、尿路感染、下肢の静脈血栓、筋力低下や拘縮など多くの合併症を生じる。受傷後1年以内の死亡率は対照群の約3倍(10〜20%)と高率であり、なるべく早期の手術とリハビリテーションが重要である。
4. [誤り]高齢者の大腿骨頸部骨折は保存療法のみでは歩行予後が不良である。 早期手術を行い、術後できるだけ早くからリハビリテーションを開始することが推奨される。
Key Points
ポイント
  • 85歳女性・骨粗鬆症・転倒後の歩行不能・股関節外旋位は大腿骨頸部骨折の典型的所見である。本骨折は高齢者の寝たきりの最大原因であり、坐骨神経損傷は稀、寝返りも障害される。保存療法のみでは歩行予後は不良なため早期手術が推奨される。
  • 重要用語: 大腿骨頸部骨折, 寝たきり, 早期手術 を正確に理解しておくこと。
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