第08章 整形外科疾患 / G. 脊髄損傷
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Question
問題 783 「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」退院時には屋内歩行が可能となったが、箸がうまく使えなかった。退院の準備として正しいのはどれか。
  1. 1長下肢装具の作製不正解
  2. 2意思伝達装置の導入不正解
  3. 3歩行ロボットの導入不正解
  4. 4食事に対する自助具の作製正解!
Explanation
解説
1. [誤り]長下肢装具は膝関節の支持が必要な重度の下肢麻痺に用いる装具であるが、本症例は退院時に屋内歩行が可能なレベルまで回復している。歩行が自立している患者に長下肢装具は不要であり、過剰な装具は却ってADLを制限することになる。
2. [誤り]意思伝達装置はALS(筋萎縮性側索硬化症)などで発語や筆記によるコミュニケーションが困難な場合に導入するものである。本症例では言語機能やコミュニケーション能力の障害は記述されておらず、意思伝達装置の導入は不要である。
3. [誤り]歩行ロボットは重度の下肢麻痺により自力歩行が困難な患者の歩行訓練や歩行支援に用いるものである。本症例は屋内歩行が可能なレベルまで回復しているため、歩行ロボットの導入は不要である。
4. [正解]本症例は屋内歩行が可能なレベルまで回復したが、箸がうまく使えないという手指の巧緻運動障害が残存している。これは頸髄損傷後の手指機能障害によるものであり、退院後の食事動作の自立を支援するために食事に対する自助具の作製が最も適切である。具体的には太い柄のスプーンやフォーク、ユニバーサルカフ(手に装具を固定してスプーンなどを差し込む)、滑り止めマット付きの食器などが用いられる。ADLの自立支援は退院準備における最も重要な課題であり、残存する障害に対して適切な自助具を準備することが正しい対応である。
Key Points
ポイント
  • 脊髄損傷後のリハビリテーションでは残存機能を最大限に活用し、ADLの自立を図ることが重要である
  • 手指巧緻運動障害に対しては自助具(太柄スプーン、ユニバーサルカフなど)で食事動作の自立を支援する
  • 重要用語: 自助具, 手指巧緻運動障害, ADL自立支援, ユニバーサルカフ, 退院準備 を正確に理解しておくこと。
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