第08章 整形外科疾患 / G. 脊髄損傷
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Question
問題 782 「75歳の男性。脚立から落下し、手足が動かなくなった。非骨傷性脊髄損傷と診断され入院した。肘関節の屈曲は可能、手関節の伸展と屈曲および肘関節の伸展は不能であった。」本患者の脊髄節残存高位はどれか。
  1. 1C5正解!
  2. 2C6不正解
  3. 3C7不正解
  4. 4C8不正解
Explanation
解説
1. [正解]肘関節の屈曲が可能であるが、手関節の伸展・屈曲および肘関節の伸展が不能であることから、脊髄節残存高位はC5である。C5レベルでは上腕二頭筋(肘関節屈曲)が機能するため肘の屈曲は可能である。しかし、C6以下の機能が失われているため手関節の背屈(C6:橈側手根伸筋)や肘関節の伸展(C7:上腕三頭筋)は不能となる。教科書の脊髄損傷レベルとADLの表でも、C5は「肩の弱い動き、肘の弱い屈曲(上腕二頭筋)が可能」とされている。
2. [誤り]C6が残存していれば手関節の背屈(伸展)が可能となる。C6レベルでは橈側手根伸筋が機能し、手関節の背屈によるテノデーシス効果を利用したつまみ動作も可能となる。本症例では手関節伸展が不能であるため、C6レベルは残存していない。
3. [誤り]C7が残存していれば肘関節の伸展(上腕三頭筋によるプッシュアップ)が可能となる。C7レベルでは手関節の弱い屈曲も可能である。本症例では肘関節伸展が不能であるため、C7レベルは残存していない。
4. [誤り]C8が残存していれば手指の屈曲による弱い握り動作やつまみ動作が可能となる。本症例の機能レベルはC8よりはるかに高位の障害を示しており、C8レベルではない。 | 脊髄節 | 主な支配筋 | 可能な運動 | |:---|:---|:---| | C5 | 上腕二頭筋、三角筋 | 肘関節屈曲、肩の弱い動き | | C6 | 橈側手根伸筋 | 手関節背屈、強い肘屈曲 | | C7 | 上腕三頭筋 | 肘関節伸展(プッシュアップ)、手関節弱い屈曲 | | C8 | 手指屈筋群 | 弱いつまみ・握り動作 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 頸髄レベルと残存する運動機能</p>
Key Points
ポイント
  • 脊髄損傷の高位診断は「何ができて何ができないか」から残存高位を判定する。肘屈曲可能・手関節伸展不能はC5残存を意味する
  • C5:肘屈曲、C6:手関節背屈、C7:肘伸展、C8:手指屈曲という対応を正確に覚える
  • 重要用語: 脊髄節残存高位, C5残存, 上腕二頭筋, 高位診断, 非骨傷性脊髄損傷 を正確に理解しておくこと。
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