1. [誤り]血圧低下と呼吸困難の増悪を伴う気胸に対して経過観察は危険である。緊張性気胸が疑われる状態であり、放置すると縦隔偏位、静脈還流障害、心拍出量低下からショック・心停止に至る可能性がある。速やかに脱気処置が必要である。
2. [誤り]鎮痛剤の投与は胸痛に対する対症療法にすぎず、血圧低下を伴う気胸の根本的な対応とはならない。鎮痛剤で疼痛を緩和しても胸腔内の空気貯留は解消されず、状態は悪化する一方である。
3. [誤り]生理食塩水点滴は循環血液量の補充として補助的に行うことはあるが、気胸の原因治療ではない。胸腔内に貯留した空気が縦隔を圧迫している状態では、輸液のみでは血圧を維持できず、胸腔ドレナージが最優先される。
4. [正解]自然気胸の経過中に血圧低下と呼吸困難の増悪がみられる場合、緊張性気胸への進展が疑われる。緊張性気胸は胸腔内に空気が一方弁的に貯留し続けて胸腔内圧が上昇し、縦隔を健側に圧排してショック状態に至る緊急病態である。直ちに胸腔ドレナージ(胸腔穿刺・脱気)を行い、胸腔内の過剰な空気を除去する必要がある。一刻を争う処置であり、これが最も適切な対応である。