1. [誤り]パーキンソン病では歩行速度が次第に速くなって止められなくなる突進現象(加速歩行)が起こりうるため、歩行速度を上げる指示は症状を悪化させ転倒リスクを高める。むしろ一定のリズムで歩行できるように外的刺激を与えることが重要である。
2. [正解]本症例は60歳女性で、安静時振戦・すくみ足・寡動(動作緩慢)を呈しており、パーキンソン病と診断される。パーキンソン病の歩行障害(すくみ足・小刻み歩行)に対しては、メトロノームなどの外的リズム刺激(聴覚的キュー)を用いた歩行訓練が最も有効である。一定のリズムに合わせて歩行することで、基底核の障害による内的リズム生成の低下を外部から補い、歩行パターンを改善する。床のラインを越える視覚的キューも有効である。
3. [誤り]継ぎ足歩行(タンデム歩行)は小脳失調による平衡障害の評価に用いられる検査であり、パーキンソン病のすくみ足に対するリハビリテーションとしては適切でない。姿勢反射障害があるパーキンソン病患者では転倒の危険が高い。
4. [誤り]坂道での訓練は姿勢反射障害を有するパーキンソン病患者にとって転倒リスクが非常に高い。パーキンソン病では前傾姿勢となりやすく、下り坂では突進現象が助長される危険がある。安全な環境での歩行訓練が優先される。