第08章 整形外科疾患 / F. 脊椎疾患
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Question
問題 772 肺癌患者にみられる所見と浸潤部位の組合せで正しいのはどれか。
  1. 1縮瞳 ――― 上大静脈不正解
  2. 2顔面浮腫 ――― 交感神経不正解
  3. 3嗄声 ――― 反回神経正解!
  4. 4腰痛 ――― 横隔神経不正解
Explanation
解説
1. [誤り]縮瞳は交感神経の障害で生じるホルネル症候群の一症状であり、上大静脈への浸潤ではない。上大静脈への浸潤では上半身の静脈還流が障害され、顔面浮腫、頸静脈怒張、上肢の浮腫(上大静脈症候群)が出現する。選択肢1と2は組合せが入れ替わっている。
2. [誤り]顔面浮腫は上大静脈への浸潤(上大静脈症候群)で出現する所見であり、交感神経への浸潤ではない。交感神経(星状神経節)への浸潤ではホルネル症候群(縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥凹・無汗症)が出現する。肺尖部の腫瘍(パンコースト腫瘍)で好発する。
3. [正解]嗄声(させい、声がれ)は反回神経への浸潤により声帯の麻痺が起こることで生じる。反回神経は迷走神経の枝であり、左反回神経は大動脈弓の下を、右反回神経は鎖骨下動脈の下をそれぞれ回って喉頭に分布する。左反回神経は胸腔内を長く走行するため、肺癌や縦隔腫瘍、大動脈瘤などで障害されやすい。反回神経麻痺は肺癌の重要な随伴症状の一つである。
4. [誤り]腰痛は脊椎への転移(転移性骨腫瘍)で生じる症状であり、横隔神経への浸潤とは無関係である。横隔神経が障害されると横隔膜の麻痺が起こり、横隔膜の挙上やしゃっくり(吃逆)が出現する。 | 浸潤部位 | 出現する所見 | |:---|:---| | 反回神経 | 嗄声(声帯麻痺) | | 交感神経(星状神経節) | ホルネル症候群(縮瞳・眼瞼下垂・無汗症) | | 上大静脈 | 上大静脈症候群(顔面浮腫・頸静脈怒張) | | 横隔神経 | 横隔膜麻痺・しゃっくり | | 脊椎(骨転移) | 腰痛・背部痛 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 肺癌の浸潤部位と出現する所見</p>
Key Points
ポイント
  • 嗄声と反回神経、顔面浮腫と上大静脈症候群、縮瞳と交感神経(ホルネル症候群)の組合せを正確に覚えること
  • 左反回神経は大動脈弓の下を走行するため、左肺癌や縦隔腫瘍で障害されやすい
  • 重要用語: 反回神経麻痺, 嗄声, ホルネル症候群, 上大静脈症候群, パンコースト腫瘍 を正確に理解しておくこと。
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