1. [誤り]神経根症は末梢神経(下位運動ニューロン)の障害であり、障害された神経根の支配領域では腱反射は減弱・消失する。例えばC6神経根が障害されると上腕二頭筋反射が低下し、C7神経根が障害されると上腕三頭筋反射が低下する。亢進は上位運動ニューロン障害の所見である。
2. [誤り]腹壁反射は表在反射であり、T7-T12の脊髄髄節が反射弓を構成する。腹壁反射の消失は胸髄レベル以上の上位運動ニューロン障害でみられるが、頸椎の神経根症(末梢の下位ニューロン障害)では通常消失しない。脊髄症であれば消失しうるが、本選択肢は神経根症としている。
3. [誤り]脊髄症では脊髄が圧迫されることにより上位運動ニューロン障害が生じるため、損傷レベルより下位の下肢では腱反射は亢進する。減弱するのではなく亢進するのが上位運動ニューロン障害の特徴である。
4. [正解]頸椎椎間板ヘルニアの脊髄症では、脊髄が圧迫されて錐体路障害(上位運動ニューロン障害)が生じる。その結果、下肢にバビンスキー反射などの病的反射が出現する。バビンスキー反射は足底の外側を後方から前方へ擦過すると母趾が背屈し、他の趾が扇状に開く所見である。これは錐体路障害の確定的所見であり、脊髄症の重要な診断根拠となる。下肢の腱反射亢進、痙性麻痺、クローヌスなども併せて認める。
| 頸椎椎間板ヘルニアの病型 | 障害レベル | 腱反射 | 病的反射 |
|:---|:---|:---|:---|
| 神経根症 | 下位運動ニューロン | 障害レベルで低下 | なし |
| 脊髄症 | 上位運動ニューロン | 下肢で亢進 | バビンスキー反射陽性 |
<p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 頸椎椎間板ヘルニアの神経根症と脊髄症の比較</p>