第08章 整形外科疾患 / F. 脊椎疾患
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Question
問題 764 「62歳の男性。右側の腰から下肢にかけての痛み、しびれがある。歩くと痛みは強くなり歩けなくなるが、休むと再び歩けるようになる。足関節・上腕血圧比は10であった。」本症例の徒手検査所見で陽性を示すのはどれか。
  1. 1SLRテスト不正解
  2. 2ケンプ徴候正解!
  3. 3大腿神経伸展テスト不正解
  4. 4K・ボンネットテスト不正解
Explanation
解説
1. [誤り]SLR(下肢伸展挙上)テストは、膝伸展位で下肢を挙上して坐骨神経を伸展させ、腰椎椎間板ヘルニア(特にL4/5、L5/S1)による神経根圧迫を検出する検査である。腰部脊柱管狭窄症ではSLRテストは陰性であることが多く、椎間板ヘルニアとの鑑別点の一つとなる。
2. [正解]本症例は62歳男性で、歩行時に増悪し休息で軽快する間欠性跛行を呈し、ABI(足関節・上腕血圧比)が正常値(1.0)であることから、血管性ではなく神経性間欠性跛行、すなわち腰部脊柱管狭窄症と考えられる。ケンプ徴候は腰椎を後側屈させた際に脊柱管が狭窄し、下肢への放散痛が出現する所見で、腰部脊柱管狭窄症や椎間関節症で陽性となる。後屈で脊柱管が狭小化するため症状が誘発される。
3. [誤り]大腿神経伸展テスト(FNSテスト)は、腹臥位で膝を屈曲させて股関節を伸展し、大腿前面の放散痛を誘発する検査である。上位腰椎(L2-L4)の神経根障害の診断に用いられ、腰部脊柱管狭窄症に特異的な検査ではない。
4. [誤り]K・ボンネット(K-Bonnet)テストは、側臥位で股関節を屈曲・内転・内旋させて梨状筋を伸張し、殿部から下肢への放散痛を誘発する検査である。梨状筋症候群の診断に用いられ、腰部脊柱管狭窄症の検査ではない。 | 鑑別点 | 腰部脊柱管狭窄症 | 閉塞性動脈硬化症 | |:---|:---|:---| | 間欠性跛行の種類 | 神経性 | 血管性 | | ABI | 正常(1.0前後) | 低下(0.9以下) | | 前屈での改善 | あり | なし | | SLRテスト | 陰性が多い | 関連なし | | 足背動脈拍動 | 正常 | 減弱・消失 | <p style="font-size:0.8em; color:#888; text-align:center; margin-top:0.3em;">表: 神経性間欠性跛行と血管性間欠性跛行の鑑別</p>
Key Points
ポイント
  • 間欠性跛行でABIが正常であれば神経性(腰部脊柱管狭窄症)、ABIが低下していれば血管性(閉塞性動脈硬化症)を考える
  • 腰部脊柱管狭窄症ではSLRテストは陰性であることが多く、椎間板ヘルニアとの鑑別に有用である
  • 重要用語: 腰部脊柱管狭窄症, 神経性間欠性跛行, ABI, ケンプ徴候, SLRテスト を正確に理解しておくこと。
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