1. [誤り]胸椎後縦靱帯骨化症(Th-OPLL)は胸髄の圧迫を起こし、下肢の痙性麻痺・感覚障害・膀胱直腸障害などの脊髄症状を呈する。しかし、坐骨神経の伸張には関与しないためラセーグ試験は陰性である。ラセーグ試験は腰椎神経根障害の検査であり、胸髄障害には適用されない。
2. [誤り]胸椎黄色靱帯骨化症(Th-OLF)も胸髄圧迫による下肢痙性麻痺・しびれ・歩行障害を起こすが、これは上位運動ニューロン障害(脊髄障害)であり、坐骨神経の伸張とは無関係である。ラセーグ試験の対象とはならず、陰性である。
3. [誤り]第5-6頸椎間椎間板ヘルニア(C5/6椎間板ヘルニア)はC6神経根障害を起こし、上腕外側のしびれ・疼痛、三角筋・上腕二頭筋の筋力低下、上腕二頭筋腱反射の減弱などの上肢症状が主体となる。下肢の坐骨神経は関与しないため、ラセーグ試験は陰性である。
4. [正解]第4-5腰椎間椎間板ヘルニア(L4/5椎間板ヘルニア)ではL5神経根が圧迫され、ラセーグ試験(Lasègue test、SLR test: Straight Leg Raising test)が陽性となる。ラセーグ試験は、仰臥位で患側の下肢を膝伸展位のまま挙上し、坐骨神経を伸張させることで神経根の圧迫・炎症による放散痛を誘発する検査である。坐骨神経はL4〜S3神経根から構成されるため、L4/5やL5/S1の腰椎椎間板ヘルニアで陽性となる。通常70度以下の挙上で下肢後面に放散痛が誘発されれば陽性と判定する。腰椎神経根障害の検出に最も有用な理学所見である。