1. [正解]**正しい(誤りの選択肢)。** 発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼、DDH: Developmental Dysplasia of the Hip)は女児に圧倒的に多い疾患であり、男女比は約1:5〜9である。「男児に多い」という記述は明らかに誤りである。女児に多い理由として、女性ホルモン(エストロゲン)の影響による関節包・靭帯の弛緩性増加、骨盤形態の性差(女児の臼蓋は男児より浅い)などが関与するとされる。第一子、骨盤位分娩、家族歴がリスク因子となる。
2. [誤り]分娩時の胎位異常、特に骨盤位(逆子)は発育性股関節形成不全の発生率を高める重要なリスク因子であり、正しい記述である。骨盤位では胎児の股関節が伸展位となり、大腿骨頭が臼蓋から脱臼しやすい位置にある。骨盤位分娩後は特に注意深い観察が必要である。
3. [誤り]発育性股関節形成不全では家族内発生がみられ、遺伝的素因が関与することが知られている。母親や姉妹に股関節脱臼の既往がある場合、発症リスクが約10〜20倍に増加する。正しい記述である。
4. [誤り]発育性股関節形成不全の治療は、生後6か月以内の乳児ではリーメンビューゲル装具(Pavlik harness)などの装具療法が第一選択となり、主体的な治療法である。早期発見・早期治療により約90%の症例で良好な整復が得られる。正しい記述である。
<caption>発育性股関節形成不全のリスク因子と特徴</caption>
| 因子 | 内容 |
|------|------|
| **性別** | 女児に多い(男女比 1:5〜9) |
| **分娩時胎位** | 骨盤位(逆子)でリスク増加 |
| **出生順位** | 第一子に多い |
| **家族歴** | 母親・姉妹に既往があるとリスク10〜20倍 |
| **治療** | リーメンビューゲル装具(生後6か月以内) |
| **好発側** | 左側に多い(約60%) |