1. [正解]小児で体前屈時に肋骨隆起を認めた場合は側弯症(脊柱側彎症)を強く疑う。前屈テスト(アダムス前屈テスト、Adams forward bending test)で脊柱の回旋変形に伴い片側の肋骨隆起(rib hump)が出現するのは側弯症の特徴的所見である。側弯により脊椎が回旋するため、肋骨が後方に突出して左右非対称な隆起が形成される。学校健診でもこの前屈テストが側弯症のスクリーニング検査として広く用いられており、早期発見の重要な手段となっている。肋骨隆起の高さが7mm以上の場合は精密検査が必要となる。
2. [誤り]肺腫瘍では体前屈時の肋骨隆起は認めない。肺腫瘍は胸部X線写真やCT検査などの画像検査で発見される疾患であり、胸部の変形を伴わないことが多い。肋骨隆起のような外見上の左右非対称は生じない。
3. [誤り]鳩胸(pectus carinatum)は胸骨が前方に突出する胸郭変形であり、体前屈時の肋骨隆起とは異なる病態である。鳩胸では常に胸骨の前方突出がみられるが、体前屈により出現する左右非対称な肋骨隆起という所見はみられない。また、鳩胸は先天性または成長期に発症する胸郭の形態異常である。
4. [誤り]肋骨骨折では局所の疼痛・圧痛・腫脹がみられるが、体前屈時に特定のパターンで肋骨隆起が出現する所見とは異なる。肋骨骨折は外傷歴があり、深呼吸や咳嗽で疼痛が増強する。側弯症のような左右非対称な隆起は認めない。