1. [誤り]脱臼側の大腿骨頭が臼蓋から逸脱し後外上方に転位しているため、見かけ上の下肢長が短縮する。これをアリス徴候(Allis sign)という。両膝を立てた状態で膝の高さを比較すると患側の膝が低くなる。実際の骨の長さは正常であるが、骨頭の転位により下肢全体が短く見える。
2. [誤り]脱臼側の大腿骨頭が上方に転位しているため、患側下肢は短縮し外旋位をとる。その結果、大腿内側の皮膚溝(しわ)が健側と比較して深く、数も多く、長さも長くなり、左右非対称となる。この所見は乳児期健診で母親や医療者が気づきやすい視覚的な特徴である。
3. [誤り]屈曲外転時に脱臼していた大腿骨頭が臼蓋に整復される際にクリック音(整復音)が触知される。これをオルトラニ徴候(Ortolani sign)という。新生児期から乳児期早期の診断に極めて重要な身体所見であり、スクリーニング検査として広く用いられている。コクッという弾発感と音が特徴的である。
4. [正解]先天性股関節脱臼では歩行開始後の幼児期に、腰椎後弯ではなく腰椎前弯の増強がみられる。脱臼した大腿骨頭が後上方に転位することで骨盤が前傾し、バランスを保つために代償的に腰椎の前弯(反り腰)が増強する。腰椎後弯(猫背)は認められない。また、トレンデレンブルグ歩行も特徴的である。