1. [正解]トレンデレンブルグ徴候は片脚立位時に健側の骨盤が下降し、体幹が患側に傾く現象である。この徴候は歩行時に明瞭に観察されるため、歩行開始後(通常1歳以降)に初めて陽性となる所見である。乳児期(通常生後1〜12か月)はまだ歩行していないため、トレンデレンブルグ徴候を評価することは不可能であり、乳児期の症状としては不適切である。
2. [誤り]脱臼側の大腿骨頭が上方に転位しているため、大腿が短縮し外旋位をとる。その結果、患側の大腿内側の皮膚溝(しわ)が健側より深く、数も多く、長くなり、左右非対称となる。この所見は乳児期に視覚的に判別しやすく、母親や健診時に気づかれやすい典型的な所見である。
3. [誤り]バーローテスト(Barlow test)は股関節を内転・屈曲位として後方へ圧迫することで脱臼を誘発する検査である。不安定性がある股関節では、この操作により大腿骨頭が臼蓋から脱臼する感触が得られる。新生児期から乳児期早期に有用な検査法であり、スクリーニングとして広く用いられている。
4. [誤り]クリックサイン(click sign)はオルトラニ徴候(Ortolani sign)とも呼ばれ、股関節を開排(外転)する際にコクッという音(クリック音)と弾発感を触知する乳児期特有の所見である。脱臼していた大腿骨頭が臼蓋に整復される際の感触であり、新生児期から乳児期に陽性となる重要な診断所見である。