1. [誤り]先天性股関節脱臼は女児に圧倒的に多く、男女比は約1:5〜9である。これは女性ホルモン(妊娠末期に母体から分泌される関節弛緩ホルモン)の影響による関節弛緩性の増大や、女性の骨盤形態が関与すると考えられている。また、家族内発生も認められるため、遺伝的素因も示唆されている。
2. [誤り]先天性股関節脱臼では患側の股関節外転が制限される。これを開排制限という。大腿骨頭が臼蓋から逸脱して後外上方に転位しているため、股関節を外転させようとすると抵抗が生じる。おむつ替え時に両下肢の開きが左右非対称であることから発見されることが多い。開排制限は新生児期から認められる重要な所見である。
3. [誤り]患側の大腿骨頭が上方に転位しているため、患側下肢は短縮し外旋位をとる。その結果、大腿内側の皮膚溝(しわ)が健側と比較して深く、数も多く、また長さも長くなり、左右非対称となる。この皮膚溝の非対称性は乳児期に母親や健診で気づかれやすい視覚的な所見として重要である。
4. [正解]内反足は先天性股関節脱臼に特徴的に伴う合併症ではない。内反足は足が内側を向き、足底が内反・尖足・内転位をとる独立した先天異常であり、先天性股関節脱臼とは別の疾患である。両者が偶然に併存することはあっても、病態として関連性はない。先天性股関節脱臼に伴う特徴的所見としては、アリス徴候(膝の高さの左右差)、オルトラニテスト陽性、トレンデレンブルグ徴候(歩行期)などがある。