第08章 整形外科疾患 / B. 関節疾患
1 / 3
Question
問題 664 「83歳の女性。昨夜から左膝痛と38℃の発熱が出現した。左膝関節に熱感、腫脹および膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で異常を認めた。」最も可能性の高い疾患はどれか。
  1. 1化膿性関節炎不正解
  2. 2関節リウマチ不正解
  3. 3偽痛風正解!
  4. 4変形性膝関節症不正解
Explanation
解説
1. [誤り]化膿性関節炎では関節液の細菌培養が陽性となるが、偏光顕微鏡で結晶は認められない。発熱・関節の熱感・腫脹は共通するが、偏光顕微鏡で異常が認められた点から化膿性関節炎よりも偽痛風が疑われる。
2. [誤り]関節リウマチは多関節に対称性に発症する慢性の自己免疫疾患であり、偏光顕微鏡で結晶は検出されない。単関節の急性発症で偏光顕微鏡所見があることから合致しない。
3. [正解]高齢女性の急性膝関節炎で、関節液の偏光顕微鏡観察で異常(ピロリン酸カルシウム二水和物結晶)が認められることから偽痛風(CPPD沈着症)が最も考えられる。偽痛風は高齢者に好発し、膝関節が最も罹患しやすい。急性発症の単関節炎で発熱を伴うのが特徴的であり、偏光顕微鏡でのCPPD結晶の同定が確定診断の決め手となる。
4. [誤り]変形性膝関節症は慢性の退行変性疾患であり、通常38度の発熱を伴うことはない。偏光顕微鏡で結晶も検出されない。慢性の経過をたどり急性発症ではない。
Key Points
ポイント
  • 高齢者の急性単関節炎+発熱+偏光顕微鏡で結晶→偽痛風を疑う。化膿性関節炎との鑑別が重要であり、関節液の細菌培養と偏光顕微鏡検査の結果で区別する。偽痛風=CPPD結晶(弱陽性複屈折)、痛風=尿酸ナトリウム結晶(強陰性複屈折)。
  • 重要用語: 偽痛風, CPPD結晶, 偏光顕微鏡, 化膿性関節炎との鑑別, 急性単関節炎 を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶