1. [誤り]肩関節脱臼の約95%は前方脱臼であり、後方脱臼の頻度は低い。前方脱臼では上腕骨頭が前下方に転位し、肩峰が突出して角ばった肩の外観(epaulet sign)を呈する。
2. [誤り]肩関節脱臼では関節強直よりも反復性脱臼(習慣性脱臼)が臨床的に問題となることが多い。特に若年者では初回脱臼後の再脱臼率が高い。関節強直は長期固定後に二次的に生じることはあるが、脱臼の特徴的な合併症ではない。
3. [正解]肩関節脱臼の重要な合併症として腋窩神経損傷がある。腋窩神経は関節包の下方を走行するため、前方脱臼時に伸展・圧迫されて損傷されやすい。腋窩神経が損傷されると三角筋の麻痺(肩関節外転障害)と肩外側(三角筋部)の知覚障害が生じる。整復後は必ず腋窩神経の機能を確認する必要がある。
4. [誤り]肩関節脱臼は再脱臼を起こしやすく、特に20歳以下の若年者では再脱臼率が80〜90%に達するとされる。脱臼時にバンカート損傷(関節唇損傷)やヒルサックス損傷(上腕骨頭の陥凹)が生じると反復性脱臼の原因となる。