第08章 整形外科疾患 / A. 総論
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Question
問題 614 「65歳の男性。左片麻痺と意識障害を生じた。頭部CT検査にて右被殻出血と診断され、保存的治療を受けた。リハビリテーションの評価において視覚の見落としが著明であった。」本患者の高次脳機能障害はどれか。
  1. 1失行不正解
  2. 2注意障害正解!
  3. 3記憶障害不正解
  4. 4遂行機能障害不正解
Explanation
解説
1. [誤り]失行は運動機能や感覚機能に問題がないにもかかわらず、学習された目的的な動作(衣服の着脱、道具の使用など)が遂行できない状態である。本症例の「視覚の見落とし」とは異なる高次脳機能障害である。
2. [正解]本症例では「視覚の見落としが著明」という症状から注意障害、特に半側空間無視が疑われる。右被殻出血により右大脳半球が損傷されると、左側の空間に対する注意が障害され、左側の視覚刺激を認識できなくなる。半側空間無視は注意障害の代表的な症状であり、食事の際に左側の食べ物を残す、車椅子で左側の壁にぶつかる、左側の文字を読み飛ばすなどの日常生活上の問題が生じる。
3. [誤り]記憶障害は新しい情報の記銘(覚える)、保持、想起(思い出す)が困難になる状態である。海馬や側頭葉内側面の損傷で生じやすく、本症例の「視覚の見落とし」とは異なる。
4. [誤り]遂行機能障害は目標設定、計画立案、実行、修正といった一連の過程が障害される状態である。主に前頭葉損傷で生じ、本症例の主訴とは異なる。
Key Points
ポイント
  • 右大脳半球損傷では左半側空間無視が生じやすく、これは注意障害の一種である。逆に左大脳半球損傷でも右半側空間無視は生じうるが、右半球損傷に比べて頻度が低く、症状も軽度である。
  • 半側空間無視の患者は自分の障害に気づかないこと(病態失認)が多く、リハビリテーションを困難にする要因となる。
  • 重要用語: 注意障害、半側空間無視、右半球損傷 を正確に理解しておくこと。
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