1. [誤り]失行は運動機能や感覚機能に問題がないにもかかわらず、学習された目的的な動作(衣服の着脱、道具の使用など)が遂行できない状態である。本症例の「視覚の見落とし」とは異なる高次脳機能障害である。
2. [正解]本症例では「視覚の見落としが著明」という症状から注意障害、特に半側空間無視が疑われる。右被殻出血により右大脳半球が損傷されると、左側の空間に対する注意が障害され、左側の視覚刺激を認識できなくなる。半側空間無視は注意障害の代表的な症状であり、食事の際に左側の食べ物を残す、車椅子で左側の壁にぶつかる、左側の文字を読み飛ばすなどの日常生活上の問題が生じる。
3. [誤り]記憶障害は新しい情報の記銘(覚える)、保持、想起(思い出す)が困難になる状態である。海馬や側頭葉内側面の損傷で生じやすく、本症例の「視覚の見落とし」とは異なる。
4. [誤り]遂行機能障害は目標設定、計画立案、実行、修正といった一連の過程が障害される状態である。主に前頭葉損傷で生じ、本症例の主訴とは異なる。