1. [正解]糖尿病性神経障害では末梢感覚神経が障害され、振動覚低下がみられる。音叉を用いた振動覚検査で、足関節や母趾の振動感覚が低下・消失する。振動覚は深部感覚(位置覚・運動覚とともに)であり、太い有髄神経線維で伝えられるため、神経障害の早期から障害される。下肢遠位部から障害が始まり、手袋靴下型分布を示す特徴がある。
2. [誤り]ブルジンスキー徴候は髄膜刺激症状の一つであり、糖尿病性神経障害ではみられない。仰臥位の患者の頭部を前屈させると膝関節が屈曲する現象で、髄膜炎・くも膜下出血などの髄膜刺激で陽性となる。中枢神経系(髄膜)の異常所見であり、末梢神経障害とは無関係である。
3. [誤り]バビンスキー反射(バビンスキー徴候)は上位運動ニューロン(錐体路)障害の所見であり、末梢神経障害ではみられない。足底外側を踵から母趾に向けて擦過すると、正常では足趾が底屈するが、錐体路障害では母趾が背屈し他の足趾が開く。脳卒中・脊髄疾患などで陽性となるが、糖尿病性神経障害は末梢神経障害なので陰性である。
4. [誤り]筋強剛(固縮)は錐体外路障害(大脳基底核障害)の所見であり、糖尿病性神経障害ではみられない。パーキンソン病などで見られる筋緊張の持続的亢進状態で、他動的に関節を動かすと全可動域にわたって抵抗が続く(鉛管様強剛、歯車様強剛)。糖尿病性神経障害は末梢神経障害であり、筋緊張は正常または低下する。