第07章 代謝・栄養疾患 / A. 糖代謝異常
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Question
問題 536 2型糖尿病について正しい記述はどれか。
  1. 1原因にはウイルス感染がある。不正解
  2. 2膵臓の細胞に対する自己抗体がみられる。不正解
  3. 3家族に糖尿病を有する率が高い。正解!
  4. 4やせ型の若年者に多い。不正解
Explanation
解説
1. [誤り]ウイルス感染が発症の引き金となるのは1型糖尿病であり、2型糖尿病ではない。1型糖尿病ではコクサッキーウイルスB群、ムンプスウイルス、風疹ウイルスなどの感染が自己免疫反応の誘因となって膵β細胞が破壊される。2型糖尿病の原因は遺伝的素因に過食・運動不足・肥満などの環境因子が加わることである。
2. [誤り]膵β細胞に対する自己抗体(抗GAD抗体、抗IA-2抗体、抗インスリン抗体など)がみられるのは1型糖尿病の特徴である。1型糖尿病は自己免疫疾患であり、自己抗体により膵β細胞が破壊されインスリン分泌が絶対的に欠乏する。2型糖尿病では自己抗体は陰性である。
3. [正解]2型糖尿病は多因子遺伝疾患であり、複数の遺伝子多型と環境因子の相互作用で発症する。家族歴は重要な危険因子であり、両親がともに2型糖尿病の場合、子供の発症率は約50%に達する。片親のみの場合でも約25~30%の発症率がある。家族集積性が高く、家族歴の聴取が診断・予防において重要である。
4. [誤り]やせ型の若年者に多いのは1型糖尿病であり、2型糖尿病ではない。2型糖尿病は肥満傾向の中高年(40歳以上)に多く発症する。肥満によるインスリン抵抗性の増大が発症の重要な要因である。ただし近年、若年者の2型糖尿病も増加傾向にあるが、その場合も肥満を伴うことが多い。
Key Points
ポイント
  • 1型と2型糖尿病の鑑別点:発症機序(自己免疫 vs. インスリン抵抗性)、年齢(若年 vs. 中高年)、体型(やせ型 vs. 肥満型)、家族歴(弱い vs. 強い)、自己抗体(陽性 vs. 陰性)。
  • 2型糖尿病の遺伝:多因子遺伝。複数の疾患感受性遺伝子と環境因子(過食・運動不足・肥満・加齢)の相互作用。
  • 家族歴の重要性:両親ともに2型糖尿病→子供の発症率約50%。家族歴聴取は予防・早期発見に重要。
  • わが国の糖尿病の内訳:2型糖尿病が約95%、1型糖尿病が約5%。
  • 重要用語:1型糖尿病、2型糖尿病、多因子遺伝、家族歴、インスリン抵抗性 を正確に理解しておくこと。
項目1型糖尿病2型糖尿病
発症機序自己免疫による膵β細胞破壊インスリン抵抗性+分泌低下
好発年齢若年(小児~青年期)中高年(40歳以上)
体型やせ型肥満型
家族歴弱い強い(多因子遺伝)
自己抗体陽性(抗GAD抗体など)陰性
ウイルス感染誘因となる関係なし
頻度約5%約95%
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