第07章 代謝・栄養疾患 / A. 糖代謝異常
1 / 3
Question
問題 528 糖尿病の合併症で適切でないのはどれか。
  1. 1網膜症不正解
  2. 2ニューロパチー不正解
  3. 3くも状血管腫正解!
  4. 4腎障害不正解
Explanation
解説
1. [誤り]糖尿病性網膜症は糖尿病三大合併症の一つである。網膜の細小血管障害により、毛細血管瘤・点状出血・硬性白斑(単純網膜症)→軟性白斑・静脈異常(増殖前網膜症)→新生血管・硝子体出血・網膜剥離(増殖網膜症)と進行し、成人の失明原因の第2位を占める。定期的な眼底検査と血糖コントロールが重要である。
2. [誤り]糖尿病性ニューロパチー(神経障害)は糖尿病三大合併症の中で最も早期に出現する。高血糖によるソルビトール蓄積と微小血管障害により末梢神経が障害される。左右対称性の手袋靴下型分布を示す感覚障害(しびれ・疼痛・感覚鈍麻)や自律神経障害(起立性低血圧・便秘・排尿障害・勃起障害)を呈する。
3. [正解]くも状血管腫は肝硬変などの慢性肝疾患で見られる皮膚所見であり、糖尿病の合併症ではない。肝臓でのエストロゲン代謝障害により血中エストロゲンが増加し、体幹部の皮膚に中心から放射状に拡張した細血管が蜘蛛の脚のように見える病変である。肝硬変の他の皮膚所見として手掌紅斑・女性化乳房などがある。
4. [誤り]糖尿病性腎症は糖尿病三大合併症の一つであり、わが国の透析導入原因の第1位(約40%)を占める重要な合併症である。糸球体の細小血管障害により、腎症前期→早期腎症(微量アルブミン尿)→顕性腎症(蛋白尿)→腎不全期→透析療法期と進行する。血糖・血圧コントロールとたんぱく制限食が進展抑制に重要である。
Key Points
ポイント
  • 糖尿病三大合併症:神経障害・網膜症・腎症。細小血管障害が共通病態であり、合わせて「し・め・じ」と覚える(神経・眼・腎臓)。
  • 出現時期の順序:神経障害(最も早期、数年)→網膜症(5~10年)→腎症(10~15年)。
  • くも状血管腫と肝疾患:肝硬変の皮膚所見(他に手掌紅斑・女性化乳房)。エストロゲン代謝障害が原因。
  • 糖尿病性腎症の重要性:透析導入原因の第1位。早期発見(微量アルブミン尿検査)と血糖・血圧管理が進展予防に重要。
  • 重要用語:三大合併症、網膜症、ニューロパチー、腎症、くも状血管腫、肝硬変 を正確に理解しておくこと。
糖尿病三大合併症病態主な症状・所見出現時期
神経障害ソルビトール蓄積+微小血管障害手袋靴下型しびれ、自律神経障害最も早期(数年)
網膜症網膜細小血管障害視力低下、失明5~10年
腎症糸球体細小血管障害蛋白尿、腎不全、透析10~15年
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶