第07章 代謝・栄養疾患 / A. 糖代謝異常
1 / 3
Question
問題 526 糖尿病について誤っている記述はどれか。
  1. 1インスリンが過剰に分泌されている。正解!
  2. 2食事療法は重要である。不正解
  3. 3薬物療法では低血糖に注意する。不正解
  4. 4網膜症の合併がある。不正解
Explanation
解説
1. [正解]糖尿病はインスリンの分泌不足またはインスリン抵抗性の増大により発症する疾患であり、インスリンが過剰に分泌されているわけではない。1型糖尿病では膵β細胞の破壊によりインスリン分泌が絶対的に不足し、2型糖尿病ではインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)の増大と相対的なインスリン分泌低下がみられる。インスリン過剰分泌は低血糖を引き起こすインスリノーマなどの病態である。
2. [誤り]食事療法は糖尿病治療の基本中の基本であり、全ての糖尿病患者に必須である。適正なカロリー摂取(標準体重×25~30kcal/日)と栄養バランス(炭水化物50~60%、たんぱく質15~20%、脂質20~25%)により血糖コントロールを図る。運動療法と併せて生活習慣の是正が治療の土台となる。
3. [誤り]薬物療法(インスリン製剤、スルホニル尿素薬など)では低血糖に注意が必要である。低血糖症状は冷汗・動悸・手指振戦・空腹感(交感神経症状)、眠気・集中力低下・意識障害(中枢神経症状)があり、放置すると低血糖昏睡に至る。高齢者では無自覚性低血糖もあるため、血糖自己測定や規則正しい食事が重要である。
4. [誤り]糖尿病性網膜症は糖尿病三大合併症の一つである。網膜の細小血管障害により、単純網膜症(毛細血管瘤・点状出血)→増殖前網膜症(軟性白斑・静脈異常)→増殖網膜症(新生血管・硝子体出血・網膜剥離)と進行し、失明の原因となる。定期的な眼底検査が必須である。
Key Points
ポイント
  • インスリン作用不足の2つのパターン:インスリン分泌不足(1型、進行した2型)とインスリン抵抗性(2型)。インスリン過剰はインスリノーマなど別の病態。
  • 糖尿病治療の3本柱:食事療法(基本)、運動療法、薬物療法の順に導入。
  • 低血糖の2段階症状:初期の交感神経症状(冷汗・動悸・振戦)→進行した中枢神経症状(意識障害・痙攣)。ブドウ糖摂取で速やかに対処。
  • 糖尿病三大合併症:神経障害・網膜症・腎症。細小血管障害が共通病態。
  • 重要用語:インスリン不足、インスリン抵抗性、食事療法、低血糖、網膜症 を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶