1. [誤り]脳梗塞は脳動脈の閉塞により脳組織が壊死する疾患であり、中枢神経系(脳・脊髄)の障害である。片麻痺・失語・意識障害などの中枢神経症状を呈するが、末梢神経炎の原因とはならない。脳梗塞と糖尿病は血管障害という点で関連があるが、脳梗塞自体が末梢神経を障害することはない。
2. [誤り]心筋梗塞は冠動脈の閉塞により心筋が壊死する疾患であり、胸痛・ショック・不整脈などの心症状を呈する。心臓の病変であり、末梢神経とは解剖学的にも機能的にも無関係である。糖尿病が動脈硬化を促進して心筋梗塞のリスクを高めることはあるが、心筋梗塞自体が末梢神経炎の原因となることはない。
3. [正解]糖尿病は末梢神経障害(糖尿病性ニューロパチー)を来す代表的疾患である。高血糖状態が持続すると、ポリオール代謝経路の亢進によりソルビトールが神経細胞内に蓄積し、さらに微小血管障害による神経虚血が加わって末梢神経が障害される。両側性・左右対称性の手袋靴下型分布を示す感覚障害(しびれ・疼痛・感覚鈍麻)が特徴的で、糖尿病三大合併症の中で最も早期に出現する。
4. [誤り]慢性肝炎はB型・C型肝炎ウイルスなどによる肝臓の慢性炎症であり、肝機能障害を呈する。肝硬変に進行することはあるが、直接的に末梢神経炎の原因となることは通常ない。ただし重症肝硬変では栄養障害や肝性脳症などの代謝異常を介して二次的に神経障害を来すことはある。