第06章 内分泌疾患 / B. 甲状腺疾患
1 / 3
Question
問題 470 「36歳の女性。発汗過多、心悸亢進を主訴に来院した。食欲はあるが体重は減少傾向で、興奮しやすい。手指には振戦がみられた。血圧は正常、心電図検査では洞性頻脈が認められた。」本疾患の治療として適切なのはどれか。
  1. 1ホルモン補充療法不正解
  2. 2抗甲状腺薬正解!
  3. 3抗生物質不正解
  4. 4副腎皮質ステロイド薬不正解
Explanation
解説
1. [誤り]ホルモン補充療法(甲状腺ホルモン薬の投与)は甲状腺機能低下症に対する治療法である。 本症例は甲状腺機能亢進症であり、ホルモンを補充すると症状が悪化するため逆効果である。
2. [正解]本症例はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)であり、抗甲状腺薬が薬物療法の第一選択となる。 抗甲状腺薬にはチアマゾール(メルカゾール)とプロピルチオウラシル(PTU)があり、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。 薬物療法のほかに放射性ヨード治療や外科的療法(甲状腺摘出術)も行われる。 平均2年ほどの内服で寛解するが、中止後2年以内に40〜60%が再発する。
3. [誤り]抗生物質は細菌感染症に対する治療薬である。 バセドウ病は自己免疫疾患であり、抗生物質は無効である。
4. [誤り]副腎皮質ステロイド薬は膠原病や重症のアレルギー疾患などに用いられる。 バセドウ病の第一選択薬ではない(甲状腺クリーゼなどの重症例では使用されることがある)。
Key Points
ポイント
  • バセドウ病の治療は抗甲状腺薬(チアマゾール・PTU)による薬物療法が第一選択である。放射性ヨード治療・外科手術も治療選択肢。ホルモン補充療法は甲状腺機能低下症の治療であり混同しないこと。
  • 重要用語: 抗甲状腺薬, チアマゾール, プロピルチオウラシル を正確に理解しておくこと。
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶