1. [正解]広範囲熱傷は腎前性急性腎不全の代表的な病因である。広範囲熱傷では血管透過性が著しく亢進し、大量の血漿成分が血管外へ漏出する。また熱傷面からの不感蒸泄も増加し、循環血液量が急速に減少する。その結果、腎血流量が低下し、糸球体濾過量が減少して腎前性急性腎不全を呈する。早期の輸液療法が重要である。
2. [誤り]前立腺癌は腎後性急性腎不全の原因である。前立腺癌が進行すると尿道や尿管を圧迫・閉塞し、尿の流出障害が生じる。両側性の尿路閉塞により腎盂内圧が上昇し、糸球体濾過が阻害されて急性腎不全を呈する。腎実質の障害ではなく、尿路閉塞による腎後性である。
3. [誤り]急性糸球体腎炎は腎性急性腎不全の原因である。溶連菌感染後などに糸球体に免疫複合体が沈着し、糸球体の炎症・障害により糸球体濾過量が低下する。これは腎実質(糸球体)の障害による腎性急性腎不全であり、腎前性ではない。
4. [誤り]ミオグロビン尿症は腎性急性腎不全の原因である。横紋筋融解症により血中に放出されたミオグロビンが腎尿細管を直接傷害し、急性尿細管壊死を起こす。これは腎実質(尿細管)の障害による腎性急性腎不全であり、腎前性ではない。