第05章 腎・尿器疾患 / A. 原発性糸球体腎炎
1 / 3
Question
問題 381 腎前性急性腎不全の病因はどれか。
  1. 1広範囲熱傷正解!
  2. 2前立腺癌不正解
  3. 3急性糸球体腎炎不正解
  4. 4ミオグロビン尿症不正解
Explanation
解説
1. [正解]広範囲熱傷は腎前性急性腎不全の代表的な病因である。広範囲熱傷では血管透過性が著しく亢進し、大量の血漿成分が血管外へ漏出する。また熱傷面からの不感蒸泄も増加し、循環血液量が急速に減少する。その結果、腎血流量が低下し、糸球体濾過量が減少して腎前性急性腎不全を呈する。早期の輸液療法が重要である。
2. [誤り]前立腺癌は腎後性急性腎不全の原因である。前立腺癌が進行すると尿道や尿管を圧迫・閉塞し、尿の流出障害が生じる。両側性の尿路閉塞により腎盂内圧が上昇し、糸球体濾過が阻害されて急性腎不全を呈する。腎実質の障害ではなく、尿路閉塞による腎後性である。
3. [誤り]急性糸球体腎炎は腎性急性腎不全の原因である。溶連菌感染後などに糸球体に免疫複合体が沈着し、糸球体の炎症・障害により糸球体濾過量が低下する。これは腎実質(糸球体)の障害による腎性急性腎不全であり、腎前性ではない。
4. [誤り]ミオグロビン尿症は腎性急性腎不全の原因である。横紋筋融解症により血中に放出されたミオグロビンが腎尿細管を直接傷害し、急性尿細管壊死を起こす。これは腎実質(尿細管)の障害による腎性急性腎不全であり、腎前性ではない。
Key Points
ポイント
  • 腎前性急性腎不全は腎血流量減少が原因である。広範囲熱傷、ショック、心不全、脱水、出血などで循環血液量が減少または心拍出量が低下すると、腎血流量が低下し腎前性腎不全を呈する。
  • 急性腎不全の3分類を理解する:腎前性(循環血液量減少・腎血流低下)、腎性(腎実質障害)、腎後性(尿路閉塞)。治療アプローチが異なる。
  • 腎前性の特徴:適切な輸液・輸血により腎血流が回復すれば数日で改善する。尿所見は比較的良好(尿比重高値、尿中Na低値、FENa<1%)。
  • 重要用語: 腎前性急性腎不全、広範囲熱傷、循環血液量減少、腎血流低下 を正確に理解しておくこと。
急性腎不全の分類原因代表的疾患
腎前性腎血流量減少広範囲熱傷、ショック、心不全、脱水
腎性腎実質障害急性糸球体腎炎、ミオグロビン尿症、急性尿細管壊死
腎後性尿路閉塞前立腺癌、尿管結石、膀胱腫瘍
◀ 前の問題 ☰ 目次 次の問題 ▶