1. [誤り]歯科治療は細菌性(感染性)心内膜炎の重要な誘因である。抜歯や歯石除去などの歯科処置により口腔内の細菌(連鎖球菌など)が一過性に血中に入り(一過性菌血症)、既存の弁膜症や人工弁に付着して感染を起こす。基礎心疾患を有する患者では歯科治療前に予防的抗菌薬投与が推奨される。
2. [誤り]心雑音は細菌性心内膜炎の重要な身体所見である。弁膜上に形成された疣贅(細菌の集塊と血小板・フィブリンの凝集物)により弁の閉鎖不全や狭窄が生じ、特徴的な心雑音が聴取される。既存の心雑音の性状変化や新たな心雑音の出現は診断の重要な手がかりとなる。
3. [誤り]顕微鏡的血尿は細菌性心内膜炎でしばしばみられる所見である。疣贅の一部が剥離して腎動脈に塞栓を起こし腎梗塞を生じる場合や、免疫複合体が腎糸球体に沈着して糸球体腎炎(巣状糸球体腎炎)を起こす場合に血尿が出現する。蛋白尿を伴うこともある。
4. [正解]細菌性心内膜炎では多血症ではなく貧血がみられる。慢性の感染・炎症による二次性貧血(慢性疾患に伴う貧血、炎症性貧血)が特徴的である。炎症性サイトカインによる鉄利用障害や赤血球産生抑制により正球性正色素性貧血を呈する。溶血や出血傾向も貧血の原因となる。